ロジクールGのPRO X ゲーミングヘッドセットと言えば、PROシリーズのプロ仕様有線ヘッドセットとしてプロアマ含め非常に高い支持を得ていますが、そんなPRO X ヘッドセットがとうとうワイヤレス化されて8月27日に発売することとなりました。
PRO X WIRELESSは単にワイヤレス化されただけでなくマウスやキーボードに使われている独自技術である「LIGHTSPEED」がゲーミングへッドセットとして初めて採用されました。
このLIGHTSPEEDの採用により、eスポーツで活躍するトッププロが使用しても違和感のない低遅延を実現することが可能となりました。
そんな最新のヘッドセットである「PRO X WIRELESS」をロジクールG様よりご提供していただいたので早速ですがレビューしていきたいと思います。
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コスパ良し!ロジクールGの最新無線ヘッドセット『PRO X WIRELESS』をレビュー
『PRO X WIRELESS』のスペック
製品寸法 | 138mm×94mm×195mm(長さ×幅×高さ) |
製品重量 | 370g |
充電ケーブル長 | 1.8m |
ドライバー | ハイブリッドメッシュPRO-G 50mm |
マグネット | ネオジム |
周波数特性 | 20Hz-20kHz |
インピーダンス | 32Ω |
マイク指向性 | カーディオイド(単一指向性) |
マイク駆動方式 | エレクトリックコンデンサー |
マイクサイズ | 6mm |
マイク周波数特性 | 100Hz-10kHz |
バッテリー駆動時間 | 最長20時間 |
無線通信可能範囲 | 最長15m |
無線接続タイプ | 2.4GHz LIGHTSPEED |
開封の儀~本体と付属品
箱の質感が良くデザインがぶっちぎってカッコいいのがロジクールブランドの良い所。開封前からテンション上がりますね。
白いビニールで梱包されているのがヘッドセット本体になります。右下にあるのがドングルです。
ヘッドセットの奥やヘッドセットの下にはその他の付属品が入っています。すべて厚紙を織り込んだ梱包なので外箱含め綺麗に保管したい方は慎重にばらしましょう。
こちらが本体と付属品全てになります。
- ヘッドセット本体
- 無線アダプター
- キャリングケース
- 着脱式マイク
- USB- AーUSB-C充電ケーブル
- 低反発クロスイヤーパッド
- 取説と保証書
1.ヘッドセット本体
非常にコンパクトにまとまっているのが印象的。ゲーミングヘッドセットにありがちなコテコテ感が薄く見た目はかなりカッコいいです。
横方向からの外観はこんな感じ。無線式なので本体に操作ボタン各種が取り付けられていますが、スッキリとまとまっていてスリットが入っていたりとかなりスタイリッシュですね。
側面のロゴも本体のマットな質感と相まって高級感出てます。
PRO X WIRELESSの左側に各種操作スイッチが集約されています。
1番上にあるのがマイクのON/OFFでボタン式になっています。スライド式のスイッチだと咄嗟に押すのが難しいですが、ボタン式はすぐに押せるので便利です。
上から2番目にあるのがボリュームコントロールになります。こちらは無段階調整式となっています。
そして上から3番目にあるのが本体の電源スイッチです。(赤が見えるときは電源OFF)
4番目にあるのは充電用USB-Cの差し込み口になります。充電中はその下にあるランプが緑に点灯します。
それぞれのスイッチがすべて別の物になっているので押し間違えにくい作りになっています。基本的に手探りで操作する部分になりますので良く考えられていますね。
スライダーは左右で12段階の調整が可能です。最小値がかなり小さめなので小顔の人でもしっかりフィットします。
素材はアルミ製でマッド仕上げなので指紋は付きにくいですね。エッジは立っていないので他製品への傷の心配は無さそうです。
マイク込みでの重量は375gとワイヤレスヘッドセットでは平均的な重さですね。ワイヤレスはバッテリーが入る分重くなりますが、この重さなら長時間付けていても首の疲れは無さそうです。
ヘッドバンドは上部にPROの文字が入っています。
ヘッドバンドの素材は低反発の合成皮革でイヤーパッドほどの厚みは無いですが、バンド全体を覆っているので違和感なくフィットしますし付け心地もかなり良いです。
たまに頭頂部が痛くなるヘッドバンドもあるんですが、そういった事もなく快適です。
装着時の前後左右の見た目はこんな感じになります。大きさのバランスが良く側面のロゴがカッコいいです。
イヤーパッドを取り外すとハイブリットメッシュPRO-Gという独自技術を用いた50mmのドライバーが出てきました。この独自技術には音の歪みを低減する効果があるようです。
ドライバーは若干斜めになっているので耳への干渉や圧は低減されています。
ドライバー上部の⌒の形状と素材が有線モデルと比べて若干変化していますね。有線モデルはもう少し⌒部分の素材に密閉感があったので、今回の無線モデルは音の抜けが良くなっていそうな気がします。
2.無線アダプター
こちらはUSB接続の無線アダプターになります。取り付け時はこの面が上になります。尚、通信中は小さな穴とロゴの間辺りで緑のランプが点灯し、切断中は点滅します。
3.キャリングケース
ロジクールGのロゴ入りキャリングケースです。
スライダーを前回の状態でも収まるので持ち運びだけでなく自宅保管や充電中でも埃対策に良いですね。マイクは取り外しましょう。
4.着脱式マイク
PRO X WIRELESSのマイクは着脱式です。
- お気に入りのコンデンサーマイクを使いたい
- 出先でも使いたい
- ソロプレイが多い
マイクを使わない場合、跳ね上げ式だと見た目がごつごつしたり邪魔になったりとデメリットもありますが、着脱式は使用状況に合わせて選択できるので非常に便利です。
ただ、無くさないように注意ですね。
マイク部分はポップガード付きなのでポップノイズや唾から守ってくれます。流石はVCにも気を遣って作られたヘッドセットなだけありますね。
5.USB- AーUSB-C充電ケーブル
ヘッドセット側がUSB-Cタイプの充電ケーブルになります。上下が無いので差し込み時の煩わしさが無く快適です。ケーブルは1.8mなのでリビング且つ充電しながら使う方は延長ケーブル必須です。
6.低反発クロスイヤーパッド
こちらは低反発素材のクロスイヤーパッドです。
私はクロスイヤーパッドの付け心地が好きなので別途購入無しで切り替えられるのは非常に嬉しいですね。
元々本体に付いている合成皮革と並べると見た目はこんな感じになります。サイズ感はどちらも小ぶりで耳をすっぽり覆うタイプです。
どちらも低反発ですが合成皮革のほうが若干柔らかい印象です。
イヤーパッドの取り付けはヘッドセット本体の周囲の溝に
イヤーパッドの耳の部分をはめ込んで装着します。若干コツがいるので最初は取り付けに時間が掛かるかもしれません。頻繁に付け替えるのにはあまり向いていないですね。
ヘッドセットの設定
PRO X WIRELESSは専用のソフト「G HUB」により音響の設定やマイクの音質調整が可能となっています。
今回はあくまでもレビューなので軽く流れや各機能の説明していきますが、詳細の設定方法に関しては後で記事書きますのでそちらを参考にしてください。
G HUBのダウンロードとインストール
初めて使う方はG HUBが必要となりますので、初めて利用される方は下記リンクよりダウンロードページへ移行してください。
https://support.logi.com/hc/ja/articles/360025298133
▲コチラより「Download Now」をクリックしファイルをダウンロードしインストールを行ってください。
インストールするとGHUBの説明がされるので、ある程度読んだら>を押して移行していきます。
ここまで来たら使用機器を選択して設定画面へ進みましょう。
マイクの設定
PRO X WIRELESSではBLUE VO!CEというノイズ低減を目的とした音声フィルターを掛ける事が可能となっています。
マイク
ここでは初期orBLUE VO!CE無効時のマイクレベルの調整が可能です。右側のRECマークをクリックすると録音が可能になり、録音された音声を聞けるので確認しつつ入力ゲインの調整をしましょう。
BLUE VO!CEの有効化
ここにチェックを入れることでBLUE VO!CEを使用することができるようになります。
BLUE VO!CEをオンにすることでいくつかのプリセットを読み込めるようになる他に右上の…をクリックすると詳細なEQ(イコライザー)調整ができます。
ここの調整によって周波数特性を調整することで、高音域を抑えたり低音を強調したりと自分の声を相手に聞きやすく調整することが可能になっています。
プリセットはそこそこ多いですが、基本的には初期のbroadcaster1と2を使用又はお好みで調整すれば良いと思います。設定を弄ってもカスタムプリセットに保存されるだけなので気にせず弄って大丈夫です。
因みにPro/Broadcasterプリセットではプロゲーマーやストリーマーが使用している設定が使用できます。
New sponsor, new hair, same old fall damage. pic.twitter.com/DWyifqS2Tk
— Myth (@TSM_Myth) July 24, 2020
フォートナイトをしている方ならプロチームTsmのMythは日本でも知っている方は多いと思います。
音響の設定
ここでは音響の調整が可能となっています。
サラウンドOFFの状態では
- 音量………ボリュームの調整
- マイク……マイクの入力ゲイン
- 側音………自分の声がマイクを通して聞こえてくる音量
とざっくりとした音響の調整が可能です。
DTS Headphone:X 2.0 7.1サラウンド サウンドを有効にする
DTS Headphone:X 2.0 7.1サラウンド サウンドは俗にいう立体音響なるもので、公式情報によると「通常の7.1chよりも優れていて音の位置と距離をピンポイントで把握できる」といったニュアンスで記載されていました。
サラウンド機能をONにすると各仮想スピーカーから鳴るボリュームの調整が可能になります。ゲーミング用途であればバランスは重要ですので触らずそのままでOKです。
低音がちょっと気になる場合は下げても良いと思います。
最初よくわからなかったので色々聞いて試してみたんですが、部屋名というのはおそらく7.1ch専用の収録環境の違いでチャンネル毎に音の響き方が異なっているんだと思います。
実際にゲーミングを選択すると音の反響音が少ないので敵の発砲位置や足音の出どころを把握しやすいと感じました。
こちらは先ほどの部屋名とは別のくくりになっていて、2.1chステレオ音源の場合に適用される設定だと思います。
DTSスーパーステレオモードでは2chステレオ音源を7.1ch風に味付けしてくれる機能で個人的にはトラディナショナルが最も違和感なく聞けました。
フロントやワイドは低音~中音域が強調されているので結構違和感がありました。
DTSスーパーステレオモードに関しては合う合わないがあると思うのでお好みでONOFFを使い分けましょう。
イコライザーの設定
ここでは、ヘッドセット本体のイコライザー設定が可能となっています。ゲームジャンルによって使い分けしたり、イコライザー設定を新たに追加できたりと非常に便利。
用意されているプリセットは全部で7種類
例えばFPSのプリセットでは中~高音域を強調したEQ設定となっています。
こちらは低音域を強調するバスブースト。
一つ気になったのが横軸の㏈値が無い点ですね。他のプリセットを参考にし難かったり微調整がちょっと面倒です。バージョンアップで修正して欲しい所です。
本体その他の設定
右上の歯車をクリックすると移行します。
ここではバージョンの確認とバッテリー残量の確認、未使用時の電源オフまでの時間設定を行うことが出来ます。
7項目から選択できるようになっているのでお好みで。
『PRO X WIRELESS』を実際にゲームで使ってみた
最近はフォートナイトオンリーなのでフォートナイトでの使用感等々を書いていきます。PS4はまだ入院中なので修理から戻り次第プレイします!
PC版フォートナイト
サラウンドONとOFFそれぞれでフォートナイトのソロアリーナを1試合ずつプレイしてみました。
サラウンド(DTS Headphone:X 2.0 7.1サラウンド サウンド)
サラウンドなので反響はありますが、典型的なお風呂サラウンドではなく一つ一つしっかりと音を聞き取れました。
驚いたのは定位の良さで待機所で敵がいる位置やツルハシを振る位置等が把握できました。
動画を見て頂ければ分かりますが、Z軸にも対応していて上下の判別までも可能になっています。(ヘッドホン推奨)
低音弱めなフォートナイトでもそこそこ低音が強めに感じたのでその他FPSでは低音をがっつり下げて使わないと聞きにくいかもしれません。
イヤーパッドはクロスと合成皮革を両方試しましたが、クロスタイプのほうが低音がこもらず抜けてくれるので付け心地だけでなく音質的にも良かったです。
ステレオ
めっちゃ良いです。音の解像度が高く定位もしっかりしているので正直めちゃめちゃ気に入りました。プリセットイコライザーはFPSでしたが、フォートナイト用にカスタマイズしていけばかなり使いやすくなりそうです。
こちらもクロスイヤーパッドと合成皮革両方試しました。結果としてはサラウンドのような反響が無い分合成皮革のほうが、外部の音を遮断してくれるのでゲームプレイに集中できました。
ただ、やはり付け心地はクロスイヤーパッドのほうが好みなので私はそちらを選択します。
マイク性能
息子にPC版でヘッドセットを使い私がスイッチ版で別のヘッドセットを使用しゲームロビーで会話してみました。
音自体はクリアで非常に聞き取りやすい印象でしたが、じゃっかんプツプツとゲームプレイ中には聞こえないレベルのノイズが入っているのが気になりました。
ただ、これはワイヤレスマイクの宿命みたいな物なので仕方ないと思います。エフェクトもいくつか試しましたが、個人的にはbroadcaster1がおススメです。
遅延に関して
遅延は全く感じられませんでした。世界中の有線信者に教えてあげたいレベルです。
建築バトル時でも普段の有線ヘッドホン₊MIXAMPの組み合わせの時となんら変わりなくプレイすることが出来ました。
スイッチ版フォートナイトでの使用感
ニンテンドースイッチでもしっかりと認識しました。
スイッチ版フォートナイトはサーバーが開発側のサーバーなのでPRO X WIRELESSによるボイスチャットが問題なく使用可能です。
音質と定位
PC版よりは当然音質等の劣化はありますが、定位感としては非常に優秀でいつもスイッチ版フォートナイトをプレイしている息子に使ってみてもらった所、非常に敵の位置がわかりやすいと好評でした。
あと、配線の煩わしさが無い点にも感動してましたね。いつもながーいコードをスイッチ本体から伸ばしてプレイしてるので(笑)
マイク性能
マイク性能はワイヤレスとしてはかなり良いといった所でしょうか。
音自体は非常にクリアですが、PC同様小さなノイズはやはり乗ってしまいますね。ただこちらもゲームプレイ中には気にならないノイズでした。
ちょっと気になった所
スイッチ接続時はヘッドセット本体でのボリューム調整が出来なかった。ただ、スイッチ本体でのボリューム調整はできました。
スイッチのUSBポートは間隔狭めなので、USBポートを複数使用する場合は別途USBハブを準備しないと干渉して使えないので注意してください。
まとめ
まだ書きたい所はあるんですが、とてつもなく長くなってしまうので一旦ここでまとめさせていただきます。続きは比較記事として他のワイヤレスヘッドセットとの比較記事を書かせていただきます。
良かった所
- ワイヤレス
ワイヤレスヘッドセットなので当たり前ですが、遅延を感じなかった所や接続切れ等全くなく快適に使えてます。特にMIXAMPや有線ヘッドセットが邪魔になりやすいリビングゲーマーにも向いている製品だと感じました。 - とにかく見た目が最高
デザインがとにかく良いですね。ヘッドホンやヘッドセットって正直見た目もかなり重要です。モチベーションに関わってきますし。 - 音質が良すぎ
解像度は非常に高めで流石高級機といった所ですね。細かい音までしっかり鳴らしてくれるので低価格ヘッドホンからの乗り換え組は腰抜かすレベル - 定位がしっかりしてる
音の分離が良いので足音や銃声で敵の位置を把握しやすいです。ぼやっとした印象は全く感じませんでした。 - 映画や音楽にも使える
低音よりですが比較的フラットなので映画や音楽鑑賞といった用途にも全然使ってOKです。むしろサラウンド機能に関しては映画で使ったほうが良いレベル。 - クロスイヤーパッド
付け心地最高です。言うことなし。
改善して欲しい所
- 操作系は右側に集約して欲しかった。
触るのはボリューム調整とミュートスイッチ程度ですが、ゲームプレイ中に操作する場合って移動しているときが多いです。
左側に集約されてるとWASDやスティックで移動しつつボリューム調整やミュートが出来ないんですよ。そこはちょっと不便に感じました。 - イヤーパッドが取り替えにくい
マグネットタイプだとワンタッチで変えられて便利だったんですが、洗う際にちょっと不便な気もするのでなにか別の方法で取り換えやすくなればいいなと思いました。
現状出ているワイヤレスヘッドセットとしてはかなり良い製品だと感じました。何度も言いますがワイヤレス&見た目がめっちゃ好みなので当分私のメインヘッドセットとして活躍しそうです。
イコライザーに関しても今後色々と弄っていく予定なのでその辺もまとまり次第記事にしていきます!それでは!
はじめまして。僕も先日このヘッドセットを購入しました。
GHUB にて、他の人が作ったイコライザープリセットを使用する方法をご存じでしたら教えていただけないでしょうか。ダウンロードしても、それをどのようにして使用するのかわかりません。調べてもでてこないので質問させていただきました。
ま 様
初めまして。Ggatget管理人です。
カスタムプリセットはダウンロードすれば自動的にカスタムに追加されるはずなんですが、
私も先ほど試しにWIRELESSモデルでGHUBを通しカスタムプリセットをダウンロードしましたが、ま様同様にカスタムに追加されませんでした。
しかし、WIRELESSモデルでカスタムに追加した項目が有線モデルで利用可能となっていたので、WIRELESSモデルのほうではまだ反映できないのかもしれません。(もしくはバグ)
いずれにせよ現段階でWIRELESSモデルにダウンロードしたカスタムプリセットは追加できないので公式の対応を待つしかなさそうです。